こんにちは!
今回は寒い冬に作りたい、薬膳レシピをご紹介します🍳
1月20日は暦の上で「大寒(だいかん)」にあたります。大寒は、一年で最も寒さが厳しい時期であり、二十四節気の最後を締めくくる節気です。この時期は、かぜやインフルエンザなどの感染症が流行しやすく、また、冷えや月経痛などの婦人科トラブルも特に起こりやすい時期です。
しかし、この寒さを乗り越えれば、次に訪れるのは2月3日の「立春(りっしゅん)」。春の気配を感じ始める季節となります。寒さが厳しい今だからこそ、身体を芯から温め、漢方で考える身体の構成要素の「気・血・水(き・けつ・すい)」の巡りを整え、健康を守る工夫が大切です。
そこで今回は、寒さの厳しい時期を元気に過ごすために役立つ食材を使った薬膳レシピを 漢方薬剤師の井出早織さんご協力の下、ご紹介します。

漢方薬剤師・国際中医師
井出早織
心と身体に寄り添い、薬と上手に付き合いながら自然治癒力を高める漢方や養生法を提案している。漢方薬剤師歴6年、先祖3代にわたる薬剤師家系のもとで培った知識と国際中医師資格を活かし、4000人以上のカウンセリング実績を持つ。最短4ヶ月で漢方セルフケア習慣が身につくサポートを提供中。
■Instagram:@saorikampo
■ブログ:https://ameblo.jp/saorikampo/
寒さの厳しい時期を元気に過ごすために役立つ食材とは?
私たち人間の身体は、元気に春を迎えられるように、冬の間はできるだけエネルギーを蓄え、気力や体力を消耗しないように過ごせるようになっています。しかし、寒さが厳しい時期は、こういった蓄えているエネルギーを使って代謝を上げ、寒さに抵抗しようとします。
例えば、寒いところに長時間いると、すごく疲れますよね。それはあなたのカラダが寒さに抵抗しようとエネルギーをたくさん使っているからなのです。だからこそ、冬はエネルギーを蓄えるような過ごし方や食事を意識するのがおすすめです!
漢方では身体を巡る生命エネルギーのことを「気(き)」といいます。また、気には熱を作り出し温める力があるため「陽気(ようき)」ともいいます。この時期には、うるち米、もち米、長芋、じゃがいも、いんげん、栗、胡桃、干し椎茸、鶏肉、羊肉、鹿肉、海老などの、気を補い陽を助ける「補気(ほき)」「補陽(ほよう)」の食材を積極的に取り入れましょう!
また、身体を芯から温めることと同時に意識したいのが「陰(いん)を補うこと」。陰とは、潤いのことを表します。漢方には「秋冬養陰(しゅうとうよういん)」という言葉があり、これは秋冬には陰を補うのが良いということ。冬は寒さの影響ばかりを気にしがちですが、寒さと同時に空気も乾燥しやすく、身体も陰の不足が起きやすいです。陰が不足すると、乾燥肌やドライアイ、口や喉の渇き、便秘などの不調が現れやすくなるため、陰を補う「補陰(ほいん)」も同時に行いましょう!
今の時期、気になるのがかぜやインフルエンザなどの感染症ですよね。また、すでにある地域では花粉も飛び始めているようです。感染症やアレルギーの予防には、「気を補うこと」と「肺を養う」ことが大切です。気には「防御」の働きがあり、外からの細菌やウイルスの侵入を防いでくれたり、気温差に影響されないためにとても大切。また、漢方では、肺は臓器だけを指すのではなく、呼吸器系の働き全般のことを指します。気を補う「補気(ほき)」の食材や、肺を養う食材を積極的に取り入れ、感染症やアレルギーに負けないように根本から身体を整えていきましょう!
身体を芯から温めたい時におすすめ:中華風おこわ
◾️もち米:消化吸収を助け、気を補う。身体を温める。下痢が気になる時にも◎
◾️干し椎茸:消化吸収を助け、気を補う。不要な出血がある時にも◎
◾️鶏肉:消化吸収を助け、気を補う。身体を温める。
【材料(4人前)】
・もち米 2合
・豚バラ肉薄切り 150g
・干し椎茸 3個
・水(戻す用)300ml
・人参 1/2本
・水 適量
★オイスターソース 大さじ1
★料理酒 大さじ1
★醤油 大さじ1/2
★砂糖 小さじ1
★鶏がらスープの素 小さじ1
★ごま油 小さじ1
【作り方】
- もち米を 洗い、水気を切っておきます。
- 干し椎茸は水を張ったボウルに入れ、パッケージの表記通りに戻し、水気を絞ります。戻し汁を200ml分取り分け、干し椎茸は軸を切り落として、薄切りにします。
- 人参を細切りにし、豚バラを1cm幅に切ります。
- 中火で熱したフライパンにごま油をひき、3を入れて色が変わるまで炒めます。1を加え、全体に油がなじむまで炒めたら火から下ろし、粗熱を取ります。
- 計量カップに1の戻し汁、★を入れて、水を360mlの目盛りまで加えます。
- 土鍋にもち米、4、5を入れて混ぜ合わせて炊飯をします。
- 蓋の穴から蒸気が出てきたら、弱火にして10分炊きます。
- 10分経ったら火を止めて、そのまま15分くらい蒸らして完成!
土鍋がない方は同じ要領で、炊飯器でも簡単にできちゃいます🌾
簡単で美味しく、カラダにパワーを与えてくれる食材なので、ぜひ作ってみてください👀
今回は、寒い冬にとっておきの薬膳レシピをご紹介します✨
冬は「腎」が弱くなりがちなので、腎を養生するものを食べることがポイントです。腎は生命活動を行うための基礎的なエネルギーである「精」を貯蔵する臓器で、腎が衰えると免疫力が低下しやすくなります。
乾燥が気になる時におすすめ:黒キクラゲと豚肉の卵炒め
◾️卵:陰を補い、身体を潤す。血を補う。
◾️豚肉:陰を補い、身体を潤す。
◾️黒キクラゲ:肺を潤す。喉の渇きや咳が気になるときに。便の通りが良くない時にもおすすめ。
【材料】
・豚バラ肉 (豚ロース) 200g
・黒キクラゲ (水で戻した状態) 70g
・長ネギ 1/2本
・卵 3個
・にんにく (みじん切り) 1片
・しょうが (みじん切り) にんにくと同量
・片栗粉 適量
・醤油 大さじ1
・オイスターソース 大さじ2
・紹興酒 (料理酒) 大さじ1
・鶏がらスープ 200cc
・ごま油 (炒め用) 適量
・塩 適量
・胡椒 適量
【作り方】
- 黒キクラゲは水でもどしておき、食べやすい大きさに切っておきます。
- 長ネギを1cmほどで斜め切りにします。
- 肉を一口大に切り、酒と醤油(分量外)、胡椒、片栗粉をまぶして揉み込みます。
- フライパンに油を引いて、強火で熱します。溶いた卵を全て流し入れて、大きく1回混ぜ、全体が半熟になったら皿に取り出しておきます。
- フライパンに油を引いて、みじん切りにした生姜、にんにくを炒め、香りが出るまで熱します。
- 豚肉を入れ、8割程火が入ったら、長ネギ、黒キクラゲ、鶏ガラスープ、調味料を入れ、とろみがつくまで炒めます。
- 別にしておいた卵をフライパンに戻して混ぜます。仕上げにごま油を回しかけ混ぜ合わせます。
- 器に盛って、完成!
食後には、消化を助けてくれる「サンザシスティック」がおすすめ✨
和漢果実として知られるサンザシと少量のお砂糖を練り上げた山査子スティックは、食べすぎてしまった時の救世主です😋
ぜひ一度、サンザシスティックを取り入れてみてください!